悪魔のソース・博多んぽん酢を新しい博多の名物にしたい。老人のかなわぬ夢でなく、夢を現実にしてみたい。脳梗塞から三度の生還。ヨレヨレ、ボロボロになりながら、果たせぬ夢を追い続ける男に、強力な助っ人が現れた。平凡だったそれまでの人生が「まさか」の出来事で、がらりと変わる。一度ならまだしも、それが二度も三度も続いた。波乱万丈だが実に、愉快だった。人生の終末期を迎えた今、またもや「まさか」の驚きである。ヒルマン監督ではないけれど、信じられな~いのだ。人生、終わり良ければすべて良しなのだが、それはまだわからない。

スポンサーサイト

上記の広告は2週間以上更新のないブログに表示されています。 新しい記事を書くことで広告が消せます。  

Posted by スポンサー広告 at

2010年08月19日

九州の甘口文化

 九州は総じて甘口の嗜好がある。

 すし、そば、うなぎ、てんぷら。日本の味は、醤油なしでは成り立たないものばかりである。そんな事を言うのなら、酢や味噌や味醂はどうか。カツオ節や昆布だってある。たしかに、醤油だけ取りあげるのは居並ぶ調味料のなかで、どれがエライかを決めるようなものだ。それを承知でいえば、九州の醤油は甘い。アミノ酸が多い。べたべたとノドにまつわるようだと不快感をあらわにする人もいる。これが九州なのだ。

 沖縄から鹿児島にかけて南九州の豚に対する嗜好があって、西の長崎には卓袱(しっぽく)がある。豚骨スープというのは自然な流れ。しかも、骨髄まで煮出す白湯だし。こってりしている。いわゆる白濁スープである。博多ラーメンの多くがこれだ。

 名店といわれる店のスープは違う。すっきりと品がいい。中国料理の白湯にも負けぬ奥の深い味がする。
熊本の「味千」、福岡の「うま馬」、鹿児島の「こむらさき」「のりいち」。このうち鹿児島天文館の「こむらさき」を訪ねた。

 この店はオープンキッチンで、カウンターからくまなく見渡せる。スープは豚骨ベースだが、シイタケや鶏などを加え味が重層的。しかもくどくない。ラーメンの麺につきものの「かん水」を使わない。その代わり一度蒸してから乾燥する。手間はかかるが、かん水特有の匂いがなく、色も白っぽい。

 上に乗る具も特長的。食べやすい大きさに切りそろえたチャーシューと、たっぷりの茹でキャベツとネギ。栄養バランスにも優れている。訪れたのは午後二時過ぎだったが、お客のほとんどは女性の一人客だった。

 鹿児島の醤油は甘い。へどが出そうな甘さだそうだ。そう言って鹿児島の食文化を嘲笑った人も「これもあの甘い醤油から生まれたのか」と驚いた。醤油という味の基本の部分でローカルな主張があるのだが、その大事な部分に「九州の味は・・・」などと容易にひとまとめにしてはいけないのである。  


Posted by 吉野父ちゃん at 07:09Comments(0)うまい話・食えない話