悪魔のソース・博多んぽん酢を新しい博多の名物にしたい。老人のかなわぬ夢でなく、夢を現実にしてみたい。脳梗塞から三度の生還。ヨレヨレ、ボロボロになりながら、果たせぬ夢を追い続ける男に、強力な助っ人が現れた。平凡だったそれまでの人生が「まさか」の出来事で、がらりと変わる。一度ならまだしも、それが二度も三度も続いた。波乱万丈だが実に、愉快だった。人生の終末期を迎えた今、またもや「まさか」の驚きである。ヒルマン監督ではないけれど、信じられな~いのだ。人生、終わり良ければすべて良しなのだが、それはまだわからない。

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2011年07月27日

シリシリ

 ここ数日、朝晩しのぎやすい。早朝、庭に出ました。セミの大合唱に誘われたのです。夜露に濡れた雑草が素足に心地よい。日が昇り始める前の10分そこら、一時の清涼感です。
 ご飯に味噌汁が朝の定番ですが、最近では、パンを食べるようになりました。本日も厚切りトーストを、昨夜の残りのゴーヤチャンプルで頂きました。ゴーヤといえば昔、沖縄で食べた<シリシリ>を思いだしました。ゴーヤを丸ごとすりおろし、リンゴも同様にして、レモンと蜂蜜で味を調えたものです。その驚くほどの清涼感。あの苦味はどこに行ったのやら。忘れ得ぬ味です。
 8時、迎えのバスでリハビリ病院へ。右と左の両マヒで障害一級。「身体障害者手帳」の持ち主で介護保険のお世話になっています。
 午後は自室に籠もって、子母澤寛の勝海舟(全三巻)の再読を始めました。30歳代の壮年に読んだのと違い
坂本竜馬や西郷隆盛、土方歳三といった登場人物が身近に感じられました。
 このところ訃報が続きます。先日も、小学の同級生が旅立ちました。憎っくき癌め、でした。  


Posted by 吉野父ちゃん at 11:30Comments(0)そうす亭日乗

2011年07月02日

東北復興の願い

 福島県伊達市の顧客より注文があつた。東北地方があんな風になって、無事をお祈りしていたお一人である。新聞で福島原発事故で被爆線量が越えた伊達市の4地点が、政府から「ホットスポット」に指定されたという記事に接した直後。Aさん宅と指定された4地点とは離れていたが、避難の判断は住民に委ねられているという。つらい決断を迫られるその日が来ぬことを祈るや切。
                  ×   ×   ×
 
 夏といえば各地で祇園祭りが始まる。福岡でも、博多祇園山笠が始まった。北九州市では小倉祇園太鼓の打ち初めがあった。東北地方復興の願いを込めた子供みこしが登場するのも今年の特徴。仙台藩主・伊達正宗の飾り山が博多の町を駆け抜ける。博多は祭り一色である。

                  ×   ×   ×

 ここ数年、鰹節の佃煮を作り続けている。今年は新たに出汁をやる。佃煮と同様、売り物ではない。顧客から、あれがなければそうめんが食べられないと言われたからだ。
 博多阪急百貨店がオープン後90日余り。客離れが続いた天神地区に優良顧客が戻り始めたようだ。本来、百貨店というのは、ゆったりした雰囲気のもとスロペースの買い物を楽しむところなのだ。  


Posted by 吉野父ちゃん at 11:19Comments(0)そうす亭日乗

2011年04月28日

震災から49日

 東日本があんな風になって49日。
 
 新しい博多駅ができ、九州新幹線が全線開業した。鹿児島まで一時間十分しかかからない。便利になったものだ。だが、16年前の阪神大震災の際に反省したはずなのに、月日がたつにつれ、資源には限りがあることや有難いという気持が薄れていたもう一人の自分がいることに改めて気付かされた。一時間十分は、神を恐れざる仕業のように思えるのだ。水や電気を自由に使え、賞味期限切れの食べ物が相変わらず廃棄処分される。この差を思うと、なんともやるせない。

 明日からゴールデンウイークが始まる。
   


Posted by 吉野父ちゃん at 17:47Comments(0)そうす亭日乗

2011年04月03日

浮御堂で思ったこと。

 琵琶湖に浮かぶ「堅田の浮御堂」の先代住職夫人から電話をもらった。用というのは、昔あったオニオンソースは今でもあるかという問い合わせだった。オニオンソースというのは、文字通りたまねぎを煮込んだお肉のソースで、フランス料理の基本のソースの一つ。創業時の主力商品として位置づけていたのだが、腐りやすくて日持ちしにくいのが難点で、いつの間にか姿が消えた。浮御堂夫人の電話は、今では幻の味となったあのソースの復活を願うものであった。
 数日が過ぎた土曜日の早朝。テレビの、みのもんたを見ていたら、岩見隆夫さんが出ていてこの電話のことを思いだした。岩見さんとは同郷同窓の友人で、ともに薫陶を受けた先輩を偲ぶ会が大阪で開かれた機会に二人で琵琶湖を周遊した。一昨年春のことだ。JR大津駅で降り、タクシーで湖の西岸を三十分も走ると浮御堂に着く。この一帯は、渡り鳥の雁が舞い降りるので「堅田の落雁」の別名があり、近江八景の一つとして知られる。境内の樹齢六百年という老松と、琵琶湖の眺望がなんとも素晴らしい禅寺だ。
 調味料を作る立場になって、しみじみ感じるのだが、皆さんの「美味しい」という一言が嬉しくて、毎日、たまねぎの皮をむいたり、大根をおろしている。手をかければかけただけ、思いを込めれば込めただけ美味しくなるような気がする。
 「美味しい」と感じる心の動きは、ひとりひとりに異なり、時とともに移ろう、あいまいで捉えどころのないものです。そんな感覚を追い求め、だれかの「美味しい」を本気で満たそうと思ったら、人生をかけるぐらいの覚悟と長い時間が必要なように思える。  


Posted by 吉野父ちゃん at 08:44Comments(0)そうす亭日乗

2011年02月17日

博多阪急と取引開始

 九州新幹線全線開通を前に、三日に新装オープンする「博多阪急百貨店」で、悪魔のソースが、定番商品として販売されることになりました。

 売り場は地下1階のグロッサリーコーナーで、博多んぽん酢、トマトドレッシング、たまねぎぼうやの三種類です。このうち、たまねぎぼうやは、和風醤油味の万能ソースです。(200ml、税込590円)。これまで、通信販売専用として販売していました。また、「博多んぽん酢」は博多土産のほか、冠婚葬祭、記念品、ゴルフ景品など、小口ギフトに対応すべく準備中です。

 「量を売るより質を売る」というのが、創業時からののコンセプトです。初心を忘れたことはありませんでしたが、それを可能にしたのは、お客様の無言の励ましでした。ありがとうございました。  


Posted by 吉野父ちゃん at 11:56Comments(0)そうす亭日乗

2011年01月25日

寝るのが仕事

 非常に体調が悪い。30何年かぶりの寒さが続いているのだから、こりゃたまらん。
 加えて、昨年夏の異常な暑さで、調子が悪い状態が続いていた。鉄板の上で焼かれたと思ったら、今度はいきなり冷凍庫でしょう。なにもしたくない。それで、日中は眠り呆けて、昼夜が逆転してしまった。今は、暖房のきいた部屋でぬくぬくと寝るのが仕事だ。  


Posted by 吉野父ちゃん at 12:07Comments(1)そうす亭日乗

2011年01月18日

魁皇あと一番

 脳卒中の後遺症に苦しむ者に寒さは大敵だ。特に怖いのが朝のトイレ。氷点下の気温になることは滅多にないが、ここ数日はそれが続いている。急激な温度変化やいきみなどは、血圧の急上昇につながる。この時期、救急車が忙しいのは大抵がこれだ。

 松の内が過ぎると忙しくなるのに今年はどうだ。電話もファックスもピリッともしない。
 危険因子のコントロールと、発作のきっかけをなくすことに留意する一日だった。魁皇7勝目。勝ち越しまであと一番。この人の努力には本当に頭がさがる。  


Posted by 吉野父ちゃん at 17:48Comments(1)そうす亭日乗

2011年01月17日

お値打ち品

 キャリアウマーンというと、なんとなく一般のOLよりも、一段格が上がったように聞こえるが、専門職についている女性をさすそうで、3月にオープンする「博多阪急百貨店」がターゲットにするのもこの層だそうだ。

 先般、所要があって博多駅へ。ついでにトイレを利用させてもらったのだが、これがなんともはや。お世辞にも、気持良いとは言い難かった。デパートや映画館のトイレなんかでもそうだけど、早くあきそうなところを狙って並んでいても、隣の方が先にあくと悔しい気がする。

 銀行のキャッシュカード・サービスに行ったら機械の前の空間にロープが張られていて、自然と一列に行列するようになっていた。機械の前に何列も行列するのではなく、一列に並んでいて機械があいたら順番にそこへ行く方式。こういうこと、意外に大事ですよ。

 年賀状を頂いた。 「今年もお値打ち品、作り続けてください」。こう書かれていた。
 お買い得品とお値打ち品は違います。「お買い得品」は、値段相応の品物を指し、「お値打ち品」とは、値段以上の価値のあるものをいいます。

 有難うございました。初心を忘れず努力します。  


Posted by 吉野父ちゃん at 16:34Comments(0)そうす亭日乗

2010年11月29日

鍋が美味しくなりました。

 晩秋から初冬にかけての今の季節、鍋が美味しくなった。

 福岡空港での、博多んぽん酢の動きが良くなってきた。問い合わせも増えている。週末、京都府綾部市からの電話は、「月に一度、九州へ出張する息子に買って貰うのだが、機内持ち込みでは沢山買えない。何本なら送って貰えますか」。

 海外へのお土産にしたいという相談も多い。これまでにも、ガーナ、エチオピア、チリ、ブラジルなど遠隔地へ、機内持ち込み手荷物として運ばれた。懐かしい故国の味に涙したそうだ。物流の発達で今や、地球の裏側まで数日で届く。

 食の世界に、国境はない。日本人に日本を食べて貰いたいのだ。

   


Posted by 吉野父ちゃん at 16:20Comments(0)そうす亭日乗

2010年11月06日

一目瞭然、生姜の効能

 寒くなって日に日にぽん酢の需要が増えてきた。
 今朝一番のお客は、これから上京するという人で、「体がポカポカになるぽん酢は評判ですよ」。
 同じような事はよく言われる。今、冷えの時代なのだ。夏の初めから、夏冷にジンンジャーぽん酢ですよと囁き始めた。

 実は、ぽん酢に生姜を入れたのはこの博多んぽん酢が初めてなのだが、この事実は、これまであまり知られていなかった。ところが、永谷園が、冷えに悩む女性向けの商品を次々と売り始めた。宣伝が行きとどいて思わぬおこぼれに預かったというわけだ。

 緊張や強いストレスを感じると、血管が収縮。体温が下がり、リンパ球が減る。こういうことが続くと体温は元に戻りにくくなる。健康に暮らすには、36.5~37度の体温が必要だが、平熱が35度台のが少なくない。

 博多んぽん酢で、美味しい鍋を食べる前と後、体温計で実測すれば、一目瞭然である。  


Posted by 吉野父ちゃん at 16:16Comments(0)うまい話・食えない話

2010年10月26日

お客様は神様

 足腰の筋肉が衰えて、歩くのがやっとだ。一歩一歩摺り足で歩くのでつま先が引っかかる。常に転倒の危険性がある。今、一番怖いのは転倒して寝たきり老人になることだ。そうなると哀れなもので、筋肉が固まって、廃用症候群といわれる心身の機能の低下を招くことになる。家の中でもステッキがたよりで、高知の日曜市に行った時にも三度ばかり転んだ。骨折こそせずに済んだものの擦り傷があちこちにある。こういう状態だから出掛けるのがつい億劫になる。

 大阪の毎日放送から電話があった。視聴者が普段、食べているぽん酢をスタジオに持ってきてもらうという番組なのですが、その中に、「博多んぽん酢」を持ってきた人がおられました。急な話ですが、商品の紹介を許してもらえませんか。実は収録済みでして、放送は今週金曜日ですが・・・・。良いも悪いもない。どこのどなたか知らないが、有難いお客様だ。

 東京都町田市から初めてのお客様。
 「友達が、近所に旨いぽん酢があると送ってきてから、たちまちフアンに。何度か頼んで送って貰ったがどうしてもお金をとって貰えない。それで直接お願いすることにしました。」
 有難いお客様は、200メートル先に住んで居られる方だった。
 
 来月から、通所リハビリのサービスを受けることにした。週3回、朝8時に迎えのバスで病院へ。半日を筋トレ体操、ゲームなどで過ごすことになる。若い女性の知人で不老さんという人がいる。ネット関連の仕事をしておられるのだが、溌剌、聡明。このように、不老で長く生きられるなら話は別だが、老いだけが残って、ただ長生きするというのは御断りだ。  


Posted by 吉野父ちゃん at 10:54Comments(0)そうす亭日乗

2010年10月09日

土佐味紀行・久礼のたたき

 暑さも和らいだので、一年半ぶりに土佐の高知を旅した。
 旅の目的の一つは、「土佐の一本釣り」の舞台になったカツオの町{久礼}を訪ねること。もう一つは、土佐市宇佐漁港の鰹節工場を再訪することだった。
 今年の夏は異常だった。土佐沖には毎年、春と秋にカツオが回遊して来る。自然のサイクルはそうなっているのだが、今年は大丈夫だろうかと思いつつ、高知から特急{南風}に乗った。
 一時間弱で土佐久礼駅に着いた。目当ての久礼大正町市場は漁港のすぐそばにあった。大漁旗がはためき
威勢のいいおばちゃんが、「今日はええカツオが揚がっちゅうよ」と声をかけてくる中、ゆっくり歩き始める。市場が開かれるのは毎日、午後一時ごろ。早朝、港を出て昼近くまで魚を獲る「日戻り魚」が久礼の鉄則だ。アジ、イワシ、サバなど市場の定番魚は見るからに生き生きしている。
 「のれそれ」というアナゴの稚魚は真っ白できれいだ。カタクチイワシの稚魚、「どろめ」も旨そうだ。
チャンバラ貝という珍しい貝もあった。貝がチャンバラするわけではないが、堅い貝のフタを刀に見立てこう呼ぶのだそうだ。
 遅い昼めしは市場食堂で食べた。どろめものれそれも、仏手柑(ぶっしゅかん)という青々し柑橘を搾り、ぽん酢にして食べた。ウツボとカツオもたたきにしてもらった。ウツボは蛇のようでグロテスクだが、意外にアッサリして上品な味。コラーゲンを多く含み、しかも滋養強壮にも効果アリと聞き得した気分になった。カツオのたたきは初めて本場のものを食べた。絶品だった。
 丸々と太ったカツオを三枚に下ろし、背と腹に分け塩を振って網に乗せ、藁火で一気に燻す。表面に火が通り、皮が縮れると出来上がる。この調理法、実に理にかなってことを知った。カツオの堅い皮も身も食べられる上に、藁の香りが焚きしめられ独特の風味が生まれる。皮と身の間にある脂が熱の作用で極上のフレーバーとなる。薬味は青ネギ、玉ネギ、みょうが、大葉、などなんでも良いが、絶対に欠かせぬのがニンニク。高知県内のほとんどの地域では、藁火で燻し冷水でしめ、柚子ぽん酢で食べる。しかし、一本釣りにこだわる久礼では、温かいまま厚く切り、醤油に砂糖を加えた甘いタレで食べる。なま温かくて甘いたたきこそ、まっこと土佐の味だった。

 


  


Posted by 吉野父ちゃん at 09:40Comments(0)うまい話・食えない話

2010年09月10日

博多んぽん酢応援隊へ

 本日より、応援隊との交流の様子を公開します。
 9・8日、博多んぽん酢第2弾の発売について、応援隊の皆さまの意見を聞かせて頂きました。その会議を終えてからのメールのやりとりを中心に、様々な情報を公表します。

◆もったいない佃煮について

 「もったいないおかか」はあくまでも副産物という視点が大切。あまり高いと商業的な香りがして良くない。お金を出してでも買いたいという人は絶対いる。(N応援隊長・パソコン関連会社経営・主婦)

 カツオ節の美味しさを伝える為の手段として考えるべき。容器、包装、ガス代など経費が出れば良い。
まあ、損しない程度にするのが肝心ですね。会議終了後、3人が来られました。3人とも両方の手に持ち切れないほど買われたので、尋ねたところ、23人分でした。もったいないを知っている人もいて大喜びされました。

◆「時代を創る 500人の改革者たち」の取材申し込みがありました。近く、東京から取材に来られるようで
  す。実際にオンエアになるのか、制作会議での審査を経てからという事です。

◆新発売する「博多んぽん酢」第2弾のネーミングですが、猫にカツオ節の評判は今イチでした。カツオ節のあとに、ぽん酢に小判と続くのですが・・・。家中、聞く耳持たぬという雰囲気でした。

◆初めて会議に参加した福岡県小郡市の主婦Kさんから「楽しかった」とメールがありました。  


Posted by 吉野父ちゃん at 15:14Comments(0)そうす亭日乗

2010年09月01日

違いと驚き

 思いもかけなかったことが起こり始めた。

 「もったいない」がブレークを始めたのだ。「博多んぽん酢」に続く、第二のぽん酢商品化のきっかけになった、つくだ煮の出来たその訳を聞いて「そんなのありか」と驚いたのが最初の驚き。次の驚きは、ぽん酢は「つくだ煮」だったというサプライズ。

 既存の商品との違いがなければ、当然、ヒットにならない。価格、性能、便利さ、使い良さ、ネーミング、デザイン。それらを総合させた「違い」。

 今回は、違いと驚きが同時に来たようだ。これまでは「消費者の論理」ではなく、当方の強い思い込みで商品が作られていた。

 肩の力が抜けたのである。  


Posted by 吉野父ちゃん at 06:04Comments(0)うまい話・食えない話

2010年08月27日

高校野球から学んだこと

 13-1と大差のついた甲子園決勝。その、大差のワケは?。スポーツライターの柳川悠二さんの分析記事を読んで、改めて、「平常心」の大切さを教えられた。少し長くなるが紹介しよう。

 沖縄・興南の島袋投手の甲子園の夏は、春の選抜優勝後から始まった。
 酷暑での連投に耐えるため、雨合羽をユニホームの下に着込み練習した。本当の敵は相手じゃない。暑さだ。勝負の明暗を分けるのは、炎暑の甲子園での連投に負けない気力と体力作りにある。島袋の戦略だった。200球もの投げ込みを連日行った。

 一方、東海大相模の一二三投手。33年ぶりの夏の大会に出場するのが精一杯な時間を過ごしていた。4月に行われた試合で、相手打者の頭にデッドボールを当てて以来、オーバースローから投げるボールが右方向に抜けてしまう、いわゆるイップス(後遺症)に苦しんでいた。

 5月に沖縄で行われた招待試合で、島袋のフォームにヒントを得てサイドスローに転向したのも、この後遺症から抜け出すため。剛速球を捨ててでも、高校最後の夏を乗り切る為の決断だった。

 マウンドに上がる事だけに苦心した一二三投手と、夏にピークを合わせた島袋投手。両エースが、決勝戦のマウンドにたどり着くまでの差が「13-1」という結果を残したのかもしれない。

 私も今、ソース屋人生最後の仕事に取り組んでいる。吉と出るか凶と出るか。それはまだ解らないが、「もったいない」という名前をつけたカツオのつくだ煮が答えを出してくれるだろう。9月はしばらく入院する。体力と気力の総点検である。

 




  


Posted by 吉野父ちゃん at 07:30Comments(0)まさかの人生

2010年08月23日

社長の私の責任です。

 賞味期限印字ミスによる福岡空港「ANA FESTA」での販売を一時停止していましたが、このほど、全日空商事様の工場立ち入り監査を終え、販売を再開することになりました。
 監査は、支店長以下三名で行われました。博多んぽん酢の製造工程の全てに厳しい目が注がれました。私が感銘したのは、命についての取り組みが真摯に行われていたことです。質問をしメモをとる。疑問な点は「なぜそうするのか」納得するまで聞かれました。小さなミスが大事故につながるからです。

 ミスの原因は、印字プリンターのずれでした。機械のせいにすることは簡単ですが、本当はそれを見逃したヒューマンエラーでした。

 夏休みも間もなく終わります。週末、近くの太宰府西中学校でバザーが開かれました。少しですが、ぽん酢を提供しました。長崎・佐世保から、お父さんと一緒に中学生の娘さんが来られました。若い三人のお嬢さんが来られました。一人は東京からでした。

 クチコミは着実に広がりつつあります。今回の出来事は正に、頂門の一針でした。  


Posted by 吉野父ちゃん at 06:14Comments(0)まさかの人生

2010年08月19日

九州の甘口文化

 九州は総じて甘口の嗜好がある。

 すし、そば、うなぎ、てんぷら。日本の味は、醤油なしでは成り立たないものばかりである。そんな事を言うのなら、酢や味噌や味醂はどうか。カツオ節や昆布だってある。たしかに、醤油だけ取りあげるのは居並ぶ調味料のなかで、どれがエライかを決めるようなものだ。それを承知でいえば、九州の醤油は甘い。アミノ酸が多い。べたべたとノドにまつわるようだと不快感をあらわにする人もいる。これが九州なのだ。

 沖縄から鹿児島にかけて南九州の豚に対する嗜好があって、西の長崎には卓袱(しっぽく)がある。豚骨スープというのは自然な流れ。しかも、骨髄まで煮出す白湯だし。こってりしている。いわゆる白濁スープである。博多ラーメンの多くがこれだ。

 名店といわれる店のスープは違う。すっきりと品がいい。中国料理の白湯にも負けぬ奥の深い味がする。
熊本の「味千」、福岡の「うま馬」、鹿児島の「こむらさき」「のりいち」。このうち鹿児島天文館の「こむらさき」を訪ねた。

 この店はオープンキッチンで、カウンターからくまなく見渡せる。スープは豚骨ベースだが、シイタケや鶏などを加え味が重層的。しかもくどくない。ラーメンの麺につきものの「かん水」を使わない。その代わり一度蒸してから乾燥する。手間はかかるが、かん水特有の匂いがなく、色も白っぽい。

 上に乗る具も特長的。食べやすい大きさに切りそろえたチャーシューと、たっぷりの茹でキャベツとネギ。栄養バランスにも優れている。訪れたのは午後二時過ぎだったが、お客のほとんどは女性の一人客だった。

 鹿児島の醤油は甘い。へどが出そうな甘さだそうだ。そう言って鹿児島の食文化を嘲笑った人も「これもあの甘い醤油から生まれたのか」と驚いた。醤油という味の基本の部分でローカルな主張があるのだが、その大事な部分に「九州の味は・・・」などと容易にひとまとめにしてはいけないのである。  


Posted by 吉野父ちゃん at 07:09Comments(0)うまい話・食えない話

2010年08月08日

寝言は言わないで。

 余りにも暑さが続くので、今年は墓参のための帰郷は中止することにした。家庭サービスというとおかしいが、家内を労うにはどうすればいいか考えた。高速道路も新幹線も満員である。これでは。疲れに行くようなものである。北海道が、沖縄より暑いのだからどうしようもない。

 日曜なのにFAXが続けて入る。盆休みを見越しての注文である。宮崎のスパー二店からも。こちらの方は、いずれも新規取引の新店である。先日来、こだわりスーパーとの取引が増えている。お客さんからの要望ですというところが、いくつかある。このぶんだと蔵が建つなと言ったら、家内から「寝言は寝てからにしてください」と叱られた。

 帰省客が増える夏休みや正月は、はるばる訪ねてくれる人がいる。あの顔、この顔。懐かしい人は今年も来るだろうか。  


Posted by 吉野父ちゃん at 17:35Comments(0)そうす亭日乗

2010年08月05日

酷暑が続き元気です。

 酷暑が続くにつれ、ぽん酢が売れるようになった。
 
 創業当時には考えられぬことだった。ぽん酢醤油の使い方を知らなかった人が、夏こそぽん酢の出番であることに気づいたのである。

 手前味噌だが、焼き肉やギョーザといったスタミナ食を、サッパリ食べて貰おうという地道な活動も良かったが、「悪魔のソース応援隊」の面々が、自分たちのホームページ上で、食べ方の提案を写真とともに紹介してくれた。 商品の存在そのものを、広く知らせる効果を生んだ。

 どんな料理にもマッチするという、商品特性も浸透しつつある。焼き豆腐、さんまのホイル焼き、キャベツのせん切りツナサラダなど、なんでもないものが、意外な美味しいというビックリ感や驚き。ギフトも好調である。テレビ番組の製作会社が、タレントのお土産に使ってくれるようになった。

 またか、と言われそうだが、当たり前のことを当たり前にすることの大切さを教えられた。それにしても、熱い一日だった。  


Posted by 吉野父ちゃん at 19:17Comments(0)そうす亭日乗

2010年08月03日

北野エースと取引開始。

 暑い日が続く。汗をかくと、血液中の塩分や水分が失われ、たとえ室内にいても熱中症になる恐れがあるという。水分補給を忘れずに、一日2リットルは飲むように言われている。酷暑日だった先日、突然現れた入院時の主治医からも注意されたばかりだ。

 関西を中心に、首都圏に高級スーパーを積極的に出店している「北野エース」(兵庫県尼崎市)の九州進出二店で「博多んぽん酢」の販売が始まる。九州一号店は旧鹿児島三越跡の鹿児島マルヤガーデンズ。もう一店は福岡市天神の福岡パルコ店。両店とも生鮮、デリカと連動する従来型商品を中心に、本格的なグロッサリー売り場を提案する都心立地型の店舗。コンセプトは、「生活提案型グロッサリーショップ」だが、ひらたくいえば、「ワンランク上の商品」を取り揃えていますということ。

 「とりに行くのが夜になりますが、大丈夫でしょうか?」。
 お気づかいはご無用です。何時でも結構ですよ。と、言ったものの夕方、早めに来て頂きほっとする。
 「うちの会社、全員が悪魔のソースの大フアンです。食堂には会社が用意してくれたぽん酢、トマト、たまねぎの三点セットが何時でもあります。今日のは、個人用。近くに住んでる私が買いにきました」
 時々だが、まとめ買いされるお客様なので気になる存在だった。失礼で厚かましいと思ったが、社員全員にモニターになってもらえないかお願いしてみた。
 「皆、喜びますよ。社長にも報告します。」
 
 社名も社長さんにも、心当たりはない。ありがたいお客様である。悪魔め、幸せ者である。  


Posted by 吉野父ちゃん at 21:46Comments(0)そうす亭日乗