風の音

吉野父ちゃん

2012年08月31日 12:26

 酷い暑さがゆるみもなく続いたこの夏も、秋立つ日になると不思議に風の音が変る。
 温度は相変わらず高く、日差しも衰えないのに、かすかに乾いた秋の声が忍び寄って来た。考えると不思議でもあり、そうでもないようだな。風はただ空気が動くだけで音はない。風が動き、ものにふれて音が生じる。夏も絶頂を過ぎると、草木の葉も硬くなるから、風が触れて生ずる音も乾いたものになるのだ。
 風の音で秋を知るというのは、大変に贅沢なことだと改めて知る。
 

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