2010年10月26日
お客様は神様
足腰の筋肉が衰えて、歩くのがやっとだ。一歩一歩摺り足で歩くのでつま先が引っかかる。常に転倒の危険性がある。今、一番怖いのは転倒して寝たきり老人になることだ。そうなると哀れなもので、筋肉が固まって、廃用症候群といわれる心身の機能の低下を招くことになる。家の中でもステッキがたよりで、高知の日曜市に行った時にも三度ばかり転んだ。骨折こそせずに済んだものの擦り傷があちこちにある。こういう状態だから出掛けるのがつい億劫になる。
大阪の毎日放送から電話があった。視聴者が普段、食べているぽん酢をスタジオに持ってきてもらうという番組なのですが、その中に、「博多んぽん酢」を持ってきた人がおられました。急な話ですが、商品の紹介を許してもらえませんか。実は収録済みでして、放送は今週金曜日ですが・・・・。良いも悪いもない。どこのどなたか知らないが、有難いお客様だ。
東京都町田市から初めてのお客様。
「友達が、近所に旨いぽん酢があると送ってきてから、たちまちフアンに。何度か頼んで送って貰ったがどうしてもお金をとって貰えない。それで直接お願いすることにしました。」
有難いお客様は、200メートル先に住んで居られる方だった。
来月から、通所リハビリのサービスを受けることにした。週3回、朝8時に迎えのバスで病院へ。半日を筋トレ体操、ゲームなどで過ごすことになる。若い女性の知人で不老さんという人がいる。ネット関連の仕事をしておられるのだが、溌剌、聡明。このように、不老で長く生きられるなら話は別だが、老いだけが残って、ただ長生きするというのは御断りだ。
大阪の毎日放送から電話があった。視聴者が普段、食べているぽん酢をスタジオに持ってきてもらうという番組なのですが、その中に、「博多んぽん酢」を持ってきた人がおられました。急な話ですが、商品の紹介を許してもらえませんか。実は収録済みでして、放送は今週金曜日ですが・・・・。良いも悪いもない。どこのどなたか知らないが、有難いお客様だ。
東京都町田市から初めてのお客様。
「友達が、近所に旨いぽん酢があると送ってきてから、たちまちフアンに。何度か頼んで送って貰ったがどうしてもお金をとって貰えない。それで直接お願いすることにしました。」
有難いお客様は、200メートル先に住んで居られる方だった。
来月から、通所リハビリのサービスを受けることにした。週3回、朝8時に迎えのバスで病院へ。半日を筋トレ体操、ゲームなどで過ごすことになる。若い女性の知人で不老さんという人がいる。ネット関連の仕事をしておられるのだが、溌剌、聡明。このように、不老で長く生きられるなら話は別だが、老いだけが残って、ただ長生きするというのは御断りだ。
2010年10月09日
土佐味紀行・久礼のたたき
暑さも和らいだので、一年半ぶりに土佐の高知を旅した。
旅の目的の一つは、「土佐の一本釣り」の舞台になったカツオの町{久礼}を訪ねること。もう一つは、土佐市宇佐漁港の鰹節工場を再訪することだった。
今年の夏は異常だった。土佐沖には毎年、春と秋にカツオが回遊して来る。自然のサイクルはそうなっているのだが、今年は大丈夫だろうかと思いつつ、高知から特急{南風}に乗った。
一時間弱で土佐久礼駅に着いた。目当ての久礼大正町市場は漁港のすぐそばにあった。大漁旗がはためき
威勢のいいおばちゃんが、「今日はええカツオが揚がっちゅうよ」と声をかけてくる中、ゆっくり歩き始める。市場が開かれるのは毎日、午後一時ごろ。早朝、港を出て昼近くまで魚を獲る「日戻り魚」が久礼の鉄則だ。アジ、イワシ、サバなど市場の定番魚は見るからに生き生きしている。
「のれそれ」というアナゴの稚魚は真っ白できれいだ。カタクチイワシの稚魚、「どろめ」も旨そうだ。
チャンバラ貝という珍しい貝もあった。貝がチャンバラするわけではないが、堅い貝のフタを刀に見立てこう呼ぶのだそうだ。
遅い昼めしは市場食堂で食べた。どろめものれそれも、仏手柑(ぶっしゅかん)という青々し柑橘を搾り、ぽん酢にして食べた。ウツボとカツオもたたきにしてもらった。ウツボは蛇のようでグロテスクだが、意外にアッサリして上品な味。コラーゲンを多く含み、しかも滋養強壮にも効果アリと聞き得した気分になった。カツオのたたきは初めて本場のものを食べた。絶品だった。
丸々と太ったカツオを三枚に下ろし、背と腹に分け塩を振って網に乗せ、藁火で一気に燻す。表面に火が通り、皮が縮れると出来上がる。この調理法、実に理にかなってことを知った。カツオの堅い皮も身も食べられる上に、藁の香りが焚きしめられ独特の風味が生まれる。皮と身の間にある脂が熱の作用で極上のフレーバーとなる。薬味は青ネギ、玉ネギ、みょうが、大葉、などなんでも良いが、絶対に欠かせぬのがニンニク。高知県内のほとんどの地域では、藁火で燻し冷水でしめ、柚子ぽん酢で食べる。しかし、一本釣りにこだわる久礼では、温かいまま厚く切り、醤油に砂糖を加えた甘いタレで食べる。なま温かくて甘いたたきこそ、まっこと土佐の味だった。
旅の目的の一つは、「土佐の一本釣り」の舞台になったカツオの町{久礼}を訪ねること。もう一つは、土佐市宇佐漁港の鰹節工場を再訪することだった。
今年の夏は異常だった。土佐沖には毎年、春と秋にカツオが回遊して来る。自然のサイクルはそうなっているのだが、今年は大丈夫だろうかと思いつつ、高知から特急{南風}に乗った。
一時間弱で土佐久礼駅に着いた。目当ての久礼大正町市場は漁港のすぐそばにあった。大漁旗がはためき
威勢のいいおばちゃんが、「今日はええカツオが揚がっちゅうよ」と声をかけてくる中、ゆっくり歩き始める。市場が開かれるのは毎日、午後一時ごろ。早朝、港を出て昼近くまで魚を獲る「日戻り魚」が久礼の鉄則だ。アジ、イワシ、サバなど市場の定番魚は見るからに生き生きしている。
「のれそれ」というアナゴの稚魚は真っ白できれいだ。カタクチイワシの稚魚、「どろめ」も旨そうだ。
チャンバラ貝という珍しい貝もあった。貝がチャンバラするわけではないが、堅い貝のフタを刀に見立てこう呼ぶのだそうだ。
遅い昼めしは市場食堂で食べた。どろめものれそれも、仏手柑(ぶっしゅかん)という青々し柑橘を搾り、ぽん酢にして食べた。ウツボとカツオもたたきにしてもらった。ウツボは蛇のようでグロテスクだが、意外にアッサリして上品な味。コラーゲンを多く含み、しかも滋養強壮にも効果アリと聞き得した気分になった。カツオのたたきは初めて本場のものを食べた。絶品だった。
丸々と太ったカツオを三枚に下ろし、背と腹に分け塩を振って網に乗せ、藁火で一気に燻す。表面に火が通り、皮が縮れると出来上がる。この調理法、実に理にかなってことを知った。カツオの堅い皮も身も食べられる上に、藁の香りが焚きしめられ独特の風味が生まれる。皮と身の間にある脂が熱の作用で極上のフレーバーとなる。薬味は青ネギ、玉ネギ、みょうが、大葉、などなんでも良いが、絶対に欠かせぬのがニンニク。高知県内のほとんどの地域では、藁火で燻し冷水でしめ、柚子ぽん酢で食べる。しかし、一本釣りにこだわる久礼では、温かいまま厚く切り、醤油に砂糖を加えた甘いタレで食べる。なま温かくて甘いたたきこそ、まっこと土佐の味だった。