悪魔のソース・博多んぽん酢を新しい博多の名物にしたい。老人のかなわぬ夢でなく、夢を現実にしてみたい。脳梗塞から三度の生還。ヨレヨレ、ボロボロになりながら、果たせぬ夢を追い続ける男に、強力な助っ人が現れた。平凡だったそれまでの人生が「まさか」の出来事で、がらりと変わる。一度ならまだしも、それが二度も三度も続いた。波乱万丈だが実に、愉快だった。人生の終末期を迎えた今、またもや「まさか」の驚きである。ヒルマン監督ではないけれど、信じられな~いのだ。人生、終わり良ければすべて良しなのだが、それはまだわからない。

2009年12月09日

そうす亭日乗

 あまーっ! 初めて博多の醤油をなめた時は、正直驚いた。その甘さは、まるで角砂糖をなめたようだった。鹿児島へ行って、もっと驚いた。博多の醤油が白砂糖とするなら、鹿児島のそれは、黒砂糖。しつこい甘味が、舌にまとわりついた。

 九州は甘口文化である。醤油のラベルに記載されている原材料を見ると、砂糖・甘草エキス・ステビア等の使用数が他地域の醤油に比べ、多いことが分かる。また、砂糖の年間使用量を見ると、九州は523.4gで、全国平均の444.5gよりもかなり高い。(家計調査報告・総務省)

 それにしてもなぜ、九州の醤油は甘いのか。砂糖の消費量は西高東低といわれるように、気温が高いほど生理的に甘いものへの欲求が強い。サトウキビの栽培が昔から盛んで砂糖が手に入りやすかったという説もある。また、歴史的に見ると、鎖国時代に長崎の出島を通してオランダとの貿易が行われており、そのルートで大量の砂糖が輸入されていたことも要因の一つといわれている。

 諸説あるようだが、つまるところ、使い勝手が良いからではあるまいか。醤油に砂糖や味醂を加える料理ならば、初めから入れておけば料理の手間が省けるし、一般の醤油より塩分が控えめなのも嬉しい。実際に使ってみると、濃い味の煮物や照り焼きは酒で割るだけで良いし、酢と合わせれば酢豚のたれになる。
 醤油と甘味がなじんでいるので、短時間でも味に深みやコクが出て、簡単なのに手の込んだ料理のように仕上がるのがうれしい。

 九州の高い気温による生理的欲求や、オランダ貿易の影響などが、甘味嗜好を作り上げ、その好みに合わせ甘い醤油になったのです。ここ数年、地球温暖化の影響か、甘口嗜好は九州に限らないようです。


Posted by 吉野父ちゃん at 16:32│Comments(0)
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