悪魔のソース・博多んぽん酢を新しい博多の名物にしたい。老人のかなわぬ夢でなく、夢を現実にしてみたい。脳梗塞から三度の生還。ヨレヨレ、ボロボロになりながら、果たせぬ夢を追い続ける男に、強力な助っ人が現れた。平凡だったそれまでの人生が「まさか」の出来事で、がらりと変わる。一度ならまだしも、それが二度も三度も続いた。波乱万丈だが実に、愉快だった。人生の終末期を迎えた今、またもや「まさか」の驚きである。ヒルマン監督ではないけれど、信じられな~いのだ。人生、終わり良ければすべて良しなのだが、それはまだわからない。

2010年04月25日

杉村春子さんのハガキ

 資料を整理していたら、杉森春子さんから頂いた古いハガキが出てきた。

 杉村さんは広島出身。昭和12年の文学座創立に参加、女優としてはもちろんだが、指導者として多くの俳優たちを育てた。16歳の時に初舞台を踏んでから、杉村さんの歩いてきた年月は、そのまま我が国、新劇の歴史であった。
 
 ハガキは、84.8.7の日付。新宿局の消印があった。84年といえば、念願だった東京進出を果たした年で、四月には、西銀座に開店したパリ感覚が売り物の「プランタン」で、トマトドレッシングの発売を始めたばかりだった。

 ハガキにはこう書いてあった。

 「どれもおいしいソースですけど、やっぱり土佐酢が一番よろしゅうございました」

 トマトも美味しいのですが、ここはパリではありません。日本です。日本の味はカツオだしではないでしょうか? 杉村さんは、土佐酢が美味しかったといいながら、食の未来を戒められたのである。一つの道を極めた人の言葉は重い。

 

 
 

同じカテゴリー(そうす亭日乗)の記事
 1月6日の記事 (2014-01-06 11:46)
 無形文化遺産 (2013-11-10 11:20)
 風の音 (2012-08-31 12:26)
 コマーシャルを考える (2012-08-03 16:34)
 HPが新しくなりました (2012-07-31 18:15)
 親離れ子離れ (2012-04-09 20:45)

Posted by 吉野父ちゃん at 11:56│Comments(0)そうす亭日乗
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。